くずは相続・遺言・成年後見相談センター 佐藤好恵行政書士事務所

コラム

親の遺産のほとんどが持ち家の場合 ~家を分ける3つの方法~

Aさんは3人姉妹の長女。姉妹皆、結婚しそれぞれに家を構え生活していましたが、実家で一人暮らししていた父の介護が必要になったため数年前にAさんが自宅を売却し、実家で父と同居し介護を続けてきました。

今年、父が亡くなり相続について三姉妹で話し合いをすることになりました。Aさんは、父の介護のために同居する際、事前に姉妹で話し合って決めていたことや妹たちが常々父の介護に感謝してくれていたことから、実家の土地建物を自分が相続することに妹たちも同意してくれると考えていました。ところが父に預貯金がわずかしかないと判明し、妹たちから「不公平だ!」との意見が出てきて困惑しています。どうすればよいのでしょうか。

不動産以外に預貯金が十分にある場合は、実家を相続しなかった者が預貯金を相続することで話は上手くまとまることが多いです。ただ、今回の例の様な場合、実家を分ける方法は大きく下記の3通になります。

① 現物分割:三姉妹で実家を共有する方法。平等に分けることができるが、売却したい場合など3者全員の合意が必要になる上、それぞれの死後、各自の夫や子供が相続人となることから権利関係が複雑になるためおすすめできない。
② 換価分割:実家を売却し、売却金を三姉妹で分割する方法。平等に分けることができるが、例の場合 Aさんは住む家がなくなってしまう。
③ 代償分割:実家を相続した人(Aさん)が、妹二人に代償金を支払う方法。支払方法は話し合いで分割にすることも可能。Aさんに代償金を支払う金銭的余裕がない場合は難しい。また、「代償金をいくらにするか(実家の評価額をいくらにするか)」を決めるのが難しく、一般的に代償金を支払う側がある程度譲歩しないとまとまらない場合が多い。

三姉妹で話し合った結果③の代償分割の方向に決まりましたが、Aさんとしては、自宅を売却し介護に携わってきたことを財産を分ける際に妹たちに考慮して欲しいという思いもあり、中々話はまとまりません。

Aさんが同居を決めた際、父親が「介護をしてくれたAさんに自宅を相続させる」との遺言書を作成しておけば、Aさんは妹たちに遺留分(今回なら法定相続分の半額である1/6ずつ)を支払うことで実家を相続することができましたし、長年の介護の負担も報われることになりました。

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